ガラスに蒔絵を施すことは、剥がれの懸念がある為なかなか完全な作品にするのは難しいです。
いまだガラスに完全に密着させるのは出来ないらしいです(ガラスメーカー談)。
以前、博物館の特設ショップでガラスに蒔絵を描けるなら作品を置きませんか?との打診がありました。
「まぁ何とかなるかな?」とOKしたのです。
それから考えれば大丈夫と。
150点近くのガラス作品が運び込まれました。
さあどうしたものか・・・・・・。
プライマーを塗布し漆を焼き付ける方法、これは一般的ではありますが、
私は蒔絵を施して艶のいい丸粉を使用した場合は、
すり漆と言って、生漆を塗って拭き取りをするのですが、このプライマーがすり漆を吸ってしまい、
茶色に変色してしまいます。スッポリと漆を塗ってしまえばいいのですが、
私は透明なガラスに蒔絵だけを施したいので、これは没。
削って漆を埋め込む・・・・これは中々いいのですが、細い線(歪みがでますが)しか出来ないのでこれも違う。
そうこうしているうちに納期が・・・・。
ある日、明け方に夢を見ました。
「こうすればいいんだよ、思い出して」と、以前のシーンで金物ヘラで擦っても「取れないねぇ」との体験場面がありました。
そっか、それをヒントに蒔絵を施しています。独自の方法です。