・ナラティブで重要な事は、決めつけずに、主人公と共に自分も成長していくところにあります。
現実世界で出来なかった事やこうあるべきとして生きてきた事、などの枠がないので、
本当の自分だったらこうする、とかその結果こうなりたい。など・・・・・・。

ここで、創造していくのに重要な事があるのです。
それは蒔絵も同じ。
つまりはクリエイトしていくには避けて通れない事があるのです。
それを小説作家さんなどは上手く表現しています。

1、自分の信念にゆさぶりをかけるために書く。(遠藤周作)

…創作とは、今まで作者が獲得したものを吐き出した結果なのではなく、創作それ自体が、
作者が新しく何かを獲得する方法なのです。
…つまり、作者が人生の体験や思索から、いちばん正しいと信じるようになったことを、そのまま「これが正しい」と読者に向かって主張するために小説を書くのではなく、逆に、その信念に最も都合の悪い設定を作中にしつらえて、その中で、作者と同じ信念を持つ主人公を行動させ、そうすることで、その信念が本当に正しいのかどうか、主人公が最後までその信念を持ちこたえることができるのかどうかを検証してみる、という作業のこと。(『書く人はここで躓く』作家が明かす小説の「作り方」』/宮原昭夫,河出書房新社,2016)

 

2、観念が思想に悪いように、予定は芸術に悪い。(中略)
それは恋愛によく似ている。(岡本かの子)

…初めの予定に最後まで固執するのはよくない。最初から最後まできっちり予定を立てて、その通りに進行させて行く恋愛なんて考えるだけでもゾッとする。

…構成というものは、決して固定したものではなく、何度も組み立て直し、その都度新たに不要になったシーンを除き、必要になったシーンを補ってゆかねばなりません。

2020年8月15日