蒔絵の制作工程を紹介します。
まず、画面下方の土手の部分は肉合蒔絵として、手前から向こう側に斜めに研ぎ減らしています。
漆で竹薮と邸宅を描きそこに金の粉を蒔きました。
手前の土手の部分に金の板を四角く切った切金を貼り付け、 さらにその手前に、水文様を描き金を蒔きました。
上の画像は金を蒔いた後に、すっぽりと漆を塗りかぶせ、乾燥後に漆を研いで下の金を出していきます。
邸宅と手前の土手を研ぎ出したところです。
全部を研ぎ出した物です。
漆を研ぎ出す時は、サンドペーパーや木炭を使用します。
金粉などの金属粉は球体なので全体の高さの半分くらいまで研ぎ減らします。
木炭で研ぐ?とお思いの方もいらっしゃるかと思いますが、木炭の方が仕上がりは綺麗です。
これは、上の研ぎ出した後に、砥ぎ傷などを磨き上げて艶を付け 更に、細かいところの線を描きあげたところです。
この線も、漆で固めてすべてを磨き上げて完成となりますが、 おおよここまでで1ヶ月以上の時間が必要です。
以上、ここまでは砥ぎ出し蒔絵をご紹介いたしましたが、 この他に、簡素な平蒔絵(漆で描いた後に、金や銀の細かい金属粉を蒔いただけのもの)、また、絵を盛り上げて描く高蒔絵(たかまきえ)、高蒔絵と砥ぎ出し蒔絵を合わせた肉合蒔絵(ししあいまきえ)などがあります。
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