漆って不思議な樹液なんです。
ハチの巣の付け根なんかも漆で接着しているらしいんです。
ハチの知恵ですね。
漆を使う仕事を仕事をしていますが、漆を採取する事は殆どないです、
山形の蜂谷さんの栽培している山へ漆採取に行きました。
丸一日かけて3人で1500g位採取しました。が・・・・・・正直
1日3人で1500g・・・だけ・・・・・トホホホ・・・・・・・尊いものです。
血の滲むような思いでした。真夏の山って虫が多いのです。
1本の漆の木から1シーズン(6月~9月)の採取量は200g位だそうで、
1シーズン採ると切り倒して、また新しい苗を植えて15年程度育てます。
本当に気が遠くなる貴重な樹液です。
さて、採取した漆は生漆(きうるし)と言って50%位は水分です。
この水分を広げて蒸発させます。クロめるといいます。
真夏の炎天下でクロめます。
水分がある時は乳白色に濁ってます。
水分が完全に抜けると濁りが無くなり、褐色の透明になります。
これが透き漆となり、ここから梨子地漆になったり、白漆になったり黒漆になったり・・・。
しかし、重量は半分程度に。
クロめたら渋漉し和紙で絞り、ゴミを取り除きます。
これで完了です。
しかし、3人で丸1日かけて、水分を抜いた透き漆が800g程度。
市価10,000円程度・・・・・・・・。
ほんとに尊い作業。
日本の伝統文化は金銭で計るものではないですね。