私は作品は自分で販売してきた。
そのスタイルにいきついたのですが、
26才の時に独立した時は蒔絵職人としてスタートした。
職人は地域の漆器屋さん(地域問屋)の受注を受けてこなしていく訳だが、
主導権は発注者が握ります、つまりは発注者の意識次第になる訳だ。

大体の問屋さん(カスタマー)は利益を上げる為に商品を取り扱うので、当たり前なのだが
効率、コスト、納期が決まる。
効率はよりパフォーマンスを上げてコストを下げる事が利益率が上がる。
そしてその上、厳しい納期がある。
これは在庫を出来るだけ持ちたくないからなのだが。
勿論ほぼそのように資本主義経済は動く。

しかし、それだと本格的な蒔絵を修行してきた私としては、満足できない。
作品の良さを追求すると、この部分だけはコストを下げたくない部分が出てくるものだ。
おまけにコストを下げてしまって、それが売れると次の注文は数が増える。
そうなると単純作業になる訳し、品質はその次になるのだ。
身体は忙しくなり、頭は暇という現象が日々続く。
要は作業に追われる訳だ。
これだと、それを真似をしてコストの安い方に流れてしまったりする。
荒れるのだ。

これは本望ではない。と気付いた。
心に満足感がないからだ。
地域問屋に頼るとこれは逃れる事が出来ない問題だ。

ではどうすればいいのか?

・・・・・・・・2へ続く。

2021年6月6日