私は茶道具の蒔絵修行をしたのですが、
その中で特筆すべきは、お抹茶粉を入れる棗(なつめ)が切合口になっている事です。
最初は何でこんなにこだわるのか??
と思っていましたが、日が減るに従い、この繊細でスッキリとした美意識が見えてきます。
技術的には、まず内側が身と蓋がぴったり合うように研いだり塗ったりを繰り返し、
その後、蓋をしてくっ付けます。
そして外側を塗るんです。
乾燥後に割ります。
そうすると合わせのところ、つまり切合口になり、蓋をするとつなぎ目が見えないけれど、蓋が開きます。
そして、今度は蒔絵師の出番。
内側に銀地、梨子地、平目地などを施してからピッタリとくっつけます。
そして外側の僅かな凹凸を再度研いで、フラットにして、蒔絵作業に入ります。
この切合口日本にはの心が見えます。
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2020年7月12日